Si細線光導波路を用いたリング共振器設計への適用

リング共振器は容易に集積化できることから、光集積回路の部品として研究が進められている。
ここでは、半径5μmのリング共振器の設計について記す。


導波路設計


Device(リング共振器)を構成するWaveguide(導波路)の解析(TEモード)
DeviceでWgに対するScan機能を用いるのでWaveguideでもWgをScanしておく。


リング共振器設計

波長1.5〜1.6μm(Wg=200〜600nm)まで変化させて(Scan機能利用)の計算実行
今回は、加工精度による影響を検討するために、Wg+Gap=700nmの条件でWgを
変化させた計算を行った。

解析で用いたリング共振器構造



シミュレーション結果

波長を1.5〜1.6μmの範囲でScanさせてSパラメータ解析を行った。

Sパラメータ解析結果
(図中の矢印の点でのシミュレーション結果を以下に記す。)

Wg=200nm, Gap=500nmでの計算結果


Wg=250nm, Gap=450nmでの計算結果

Wg=500nm, Gap=200nmでの計算結果


Sパラメータ計算結果より、導波路幅Wgが狭いと導波路への閉じ込めが小さくなる
(今回の計算条件ではギャップは大きくなるが)リングへの結合は大きくなることを
示している。逆に、Wgが大きくなり過ぎると波長の選択性は弱くなることがわかる。


デバイス構造に関する参考文献
T. Tsuchizawa et al."Microphotonics devices based on silicon microfabrication
technology," IEEE J. Selected Topics in Quantum Electron., vol. 11, No.1,
pp.232-240, Jan./Feb. 2005.