APSSの概要


APSS
は新世代の設計ツールである。単なるBPMやFDTDソフトのように多種のソフトを組み合わせなくても、このソフトだけで光集積デバイスの設計の要望に対応できる。従って、お客様の問題解決が容易かつ迅速となる。階層的考え方、優れた数値解析アルゴリズムなど現段階で最も高性能なCADソフトとしてユーザの支持を得ている。最先端の光デバイスや回路が簡単に、極めて柔軟性をもって設計できるので、研究開発のハイエンドユーザから教育の一環としての導入段階のユーザまで幅広い分野で利用されている。


APSSは光集積回路(PIC: Photonic Integrated Circuit)用としては最初の設計ツールであり、オブジェクト指向の設計フロー(OODF: Object Oriented Design Flow)に基づいている。APSSの回路モジュールは2001年に発表された。このユニークな考え方は、従来の設計ではとうてい不可能である大規模光回路の設計に道を拓くものであった。光回路の大規模化とともに回路モジュールまで含めてお求めいただくユーザも増加している。このようなお客様の声を反映してVersion 2.3では大幅な改良を加え、より一層使い易くなった。


階層的なプラットフォーム
材料、導波路、デバイス、回路と使い易い階層的なプラットフォームのために、複雑な光デバイスや回路が容易く、完全な形で設計できる。


問題解決型で手法は盛り込み済み
設計者にとって最大の興味は目の前にある問題を解決することである。多くのソフトは、全く設計者とは分野の異なるアルゴリズムの知識が要求される。また、問題解決のため、アルゴリズム別に異なるソフトを購入する必要も生じる。APSSでは優れた有益なアルゴリズムが盛り込まれている。反射の有無などの物理的な問題に応じて、または設計者の意図で、これらのアルゴリズムが選択されるようになっている。解析領域に即した物理を反映させて、領域ごとにアルゴリズムを変えて計算することも可能である。


種々のシミュレーションツール
前述のように、設計者は問題解決のために最もふさわしいアルゴリズムをAPSSの中で選択できる。異なるアルゴリズムを使い分けることで、粗く短時間でラフな設計を行い、絞り込んで精度高い設計を進めるなどの方法で効率よく設計を行うことができる。解析的手法や、以下のような数値解析手法が含まれている:BPM(ビーム伝搬法)、FDTD(有限差分時間領域)法、CBPM(シリンドリカルBPM)、BPM+FDTD法、CMT(結合波理論)、TMM(トランスファー マトリックス法)。


知識ベースのライブラリー
APSSではあらかじめ定義された、知識ベースのライブラリーが用意されている。このライブラリーを使うことで設計が非常に簡単になり、時間節約が図られる。初心者は設計を始める前に多くの学習をすることなく、とっかかり易く、学習効果を高めることができる。例えば、AWG(アレイ導波路格子)を設計する際には、ウイザードに従い、単に幾つかの選択をすればいいようになっている。既に確立された技術で、デフォルト構造でも機能し仕様を満たすようになり、そのことをシミュレーションで確認できる。